• 木曜日 , 14 12月 2017

心拍数トレーニングにおける、最大心拍数のより正確な求め方とは?



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運動の強度を設定、確認する際の一つの目安として、「運動中の心拍数」があります。

最近では心拍計機器の発達により、手首に機器を巻くだけで、簡単に運動中の心拍数をチェックできたり、フィットネスクラブのスタジオでも、心拍計機器と連動してスタジオに取り付けられた大型モニターに参加者の人達の運動時の心拍数がリアルタイムで表示されるプログラムがあったりなど、アスリートだけでなく一般の人にも心拍数を意識してのトレーニングが、より身近に浸透し始めてきたと思います。

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出典:https://sportsclub.nifty.com/kanagawa/yokohamashiaobaku/160912027219/

(大型モニターで参加者の心拍数がリアルタイムで一覧表示されるフィットネスクラブのスタジオプログラムなども出てきている)

 

その心拍数を計測してのトレーニングの説明などをみると、ほぼ必ずみられるのが「最大心拍数」という用語です。

あまりトレーニングのことに関して詳しく知らないという方でも、何となくは聞いたことがあるという方がほとんどなのではないでしょうか?

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最大心拍数とは?

「最大心拍数」とは、1分間で心臓がドクンと収縮できる回数の限界値のことを指します。

運動強度が激しくなればなるほど、心臓はその運動レベルの要求に応えられるように収縮を早め、全身の組織にもっともっと酸素や栄養を届けようと活動するわけですね。

単純に言ってしまえばですが、この最大心拍数に近ければ近いほど、強度の高い運動をしているということになります。

心拍計トレーニングというのは、この最大心拍数を元にして、トレーニングの強度を「最大心拍数の◯◯%を目標に」といったように設計されるようになっています。

その人の体力や運動習慣により、実際に最大心拍数の個人差はありますが、一般的には最大心拍数は年齢とともに下がると言われており、【220-年齢】という式が最大心拍数を求める際の最も有名な計算式となっています。

実際には最大心拍数というのは、実験室などの機関で限界の運動量に達するまで運動して測定しなければ正確に知るということは難しいのですが、ほとんどの人はこのような実験をすることはありませんし、普段運動をしていない方や中高年の方が最大限まで心拍数を上げるのは危険が伴うため、“おおよそを導き出す計算式として”前述した【220-年齢】の公式というものが使われているんですね。

しかしこの最大心拍数を求めるのに一般的な公式である、【220-年齢】という公式に科学的な実験結果による裏付けやレポートというのは、実際のところ存在していないというのが事実です。

 

この【220-年齢】という公式が広まった理由というのは実に簡易的かつ短絡的なもので、1970年代に、大学院を出たばかりの若手研究者が学会に向かう飛行機の中で退屈しのぎに、手にしていた10本にも満たない論文に発表された最大心拍数の平均値を、年齢と照らし合わせてみたところから考え出されたもので、それを隣りに座っていた大学の指導教授に見せたところ、「20歳で最大心拍数が200、40歳だと180で、60歳なら160か。ということは、220から年齢を引けば簡単に計算できるな!」となり、その場で即興的に公式化したのが始まりで、その後この公式が色々な論文やトレーニング雑誌に口移し的に紹介されていったことにより一般化していったといわれています。

これだけ運動生理学や運動処方の教科書を始め、フィットネスやトレーニング雑誌などでも一般化されている公式にも関わらず、決して綿密な研究や数多くの実験を元に裏付けられた公式というわけではないんですね。

 

最大心拍数を求めるための新たな公式

この簡易的に作られた【220-年齢】の公式では、最大心拍数を求めるのに不正確である可能性が大きいのではないかと異を唱えた、田中弘文教授という方がいます。

田中弘文教授は、運動生理学を専門とするテキサス大学の教授であり、アメリカで長く研究活動を行なっている方です。

田中教授は、最大心拍数についてレポートしている研究論文を集め、比較的信用性の高い論文だけを集めて解析するという、「メタ解析法」という方法を用いて、2万人近くに及ぶデータから得られた、最大心拍数を求めるに更に信ぴょう性の高い公式として【208-0.7×年齢】という計算方法を発表しています。

この計算方法で導き出した答えは、実験室でルームランナーと心電図を使って直接測定された、500人を超えるデータと比べてみても、正確性において【220-年齢】の公式よりもこちらの公式の方が上だったとのことで、現在のアメリカではこの公式が頻繁に採用されるようになってきているようです。

 

【220-年齢】と【208-0.7×年齢】は、実際に両方計算してみるとわかるのですが、30代では大して差異はありませんが、年齢が増すにつれて差が徐々に表れ、高齢者の方になるとその差が決して大幅とまではいかないものの、違いが出てきます。

前述したように、心拍数を測りながらのトレーニングを行う場合、例えば「最大心拍数の60%辺りの軽めの強度で」、「最大心拍数の75%辺りのややキツいくらいの強度で」と最大心拍数を元に設定することから、最大心拍数は心拍計トレーニングの強度を算出する上で欠かせない要素になります。

細かい数値の違いにはなりますが、より科学的な裏付けがあり信ぴょう性が高いと思われる公式を用いる方が、トレーニングやフィットネスの発展にも繋がっていくのではないでしょうか!

それではフィットネスジャンキーでした!

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