• 火曜日 , 21 11月 2017

「プロテインやタンパク質の過剰摂取は肝臓や腎臓に悪い」は本当か?



こんにちは!フィットネスジャンキーです!

トレーニング愛好家の方で、日頃からプロテインやタンパク質を意識して摂取している方であれば、「プロテインやタンパク質の摂り過ぎは肝臓や腎臓に良くない」というのを一度は目や耳にしたことがある方も多いのではないかと思います。

それは果たして本当のことなのか?今回はそのことについて触れてみたいと思います。

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なぜプロテインやタンパク質の過剰摂取は肝臓や腎臓に良くないと言われている?

まず、なぜプロテインやタンパク質の過剰摂取は肝臓や腎臓に良くないと言われているのでしょうか?

それはタンパク質に含まれている『窒素』が関係しています。

窒素は一部のビタミンを除いて、タンパク質以外の他の三大栄養素(炭水化物、脂質)には含まれていないものなので、「タンパク質(アミノ酸)は唯一の窒素源」とも言われています。

このタンパク質に含まれている窒素は、腸内や腎臓でアンモニアに変換されて血中に放出されるのですが、アンモニアは体にとって有毒な物質であるため、血中濃度が高くなりすぎると人間は昏睡状態に陥り、命を落としてしまいます。

蓄積していって血中濃度が高くなってしまうと、人間を死に至らしめるぐらい毒性の強いアンモニアを野放しにしておくわけにはいかないので、アンモニアは血流に乗って肝臓に送り届けられて、今度は毒性の少ない尿素という物質に変換されます。

そして肝臓で生成された尿素は、血流に乗って腎臓に送り届けられ、腎臓と繋がっている尿管から尿として排出されるようになっています。

流れをまとめると、

タンパク質に含まれている窒素を摂取する。

腸内や腎臓で窒素がアンモニアに変換されて血中に放出される。

血中に放出されたアンモニアが血流に乗って肝臓に送り届けられ、肝臓で害の少ない尿素に変換されてまた血中に放出される。

血中に放出された尿素が血流に乗って腎臓に送られる。

腎臓から尿として排出される。

 

という流れになります。ちょっとややこしいですね笑

少し話しが逸れぎみになってしまいましたが、「プロテインやタンパク質の過剰摂取が肝臓や腎臓に良くない」と言われているのは、タンパク質に含まれている窒素を大量にとりこむ分、多くの窒素を変換、排出しなければいけなくなるので、その分その役割を担う肝臓や腎臓にかかる負担が大きくなってしまうのでは?という考え方がその論拠となっています。

また、腎臓病の患者にタンパク質の摂取を制限したところ、症状が改善するケースが多いということも確認されています。

そういった事実もあり、タンパク質の大量摂取は腎臓に負担をかけるとみられているんですね。

 

本当にプロテイン、タンパク質の過剰摂取は肝臓や腎臓に負担をかける?

しかし本当にプロテイン、タンパク質の過剰摂取は肝臓や腎臓に負担をかけてしまうものなのでしょうか?

先述した論拠や腎臓病患者のケースを鑑みると、確かにタンパク質の大量摂取は腎臓や肝臓に負担をかけるのではないのか?とも考えられますが、腎臓病患者の方は別として、実は一般的な健康体の人がタンパク質を大量に摂取することでの健康上の問題というのは、裏付けとなる明確な根拠やデータが得られているわけではないんですね。

今の栄養学では、タンパク質の摂取量について「これを超えたら健康に良くない」という上限量が設定されていなくて、厚生労働省も日本人の栄養所要量を算定する際に、以下のような結論を述べています。

たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなけ
ればならない。しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした。

出典:厚生労働省 3-1.耐容上限量の設定

また、腎臓に関して言えばタンパク質の摂取量を平均で体重×1.9kg摂っていた日本人が、最も腎臓病が起こりにくかったという論文もあります。

「タンパク質の過剰摂取が腎臓や肝臓に悪いのではないか?」というのは、今後のさらなる研究や報告の進展も待たれますが、上記の理由から厚生労働省もタンパク質の上限量を設定していませんし、一般的な健康体の人がタンパク質の摂取量を増やしたところで、健康的に問題はないのではないか?とみている専門家の方も多いことは確かです。

「プロテインやタンパク質の過剰摂取が肝臓や腎臓に悪いというのは本当か?」というのは、断言こそできませんが、恐らく肝臓や腎臓に問題はないだろうというのが現状の落とし所ではないかと思います。

 

プロテインやタンパク質の過剰摂取をしても「100%健康に問題なし」とは言い切れない

ただ、だからといってプロテインやタンパク質の過剰摂取が100%安心だというわけでもありません。

厚生労働省では、先ほどの文章の後に以下のようにも述べています。

しかし、日本人を含む調査によれば、たんぱく質の過剰摂取が糖尿病や心血管疾患の発症リスク増
加につながる可能性がある。たんぱく質エネルギー比率が20% エネルギーを超えた場合の健康障害として、糖尿病発症リスクの増加、心血管疾患の増加、がんの発症率の増加、骨量の減少、BMI の増加などが挙げられる。たんぱく質と糖尿病発症リスクとの関係を認めた研究並びに、最近の系統的レビューでは、これらのどの事象についても明らかな関連を結論することはできないとしながら、たんぱく質エネルギー比率が20% エネルギーを超えた場合の安全性は確認できないと述べ、注意を喚起している。

出典:厚生労働省

要は、タンパク質の過剰摂取が糖尿病や心血管系の発症リスクを高めるという研究報告はいくつかあるものの、明らかに関連していると断定できる研究結果というのはないので、本当に関連しているかは定かではない、ただそういう報告がいくつかある以上注意は必要ですよということですね。

さっき大丈夫っぽいこといってたのに一体どっちなんだという感じもしますが…。

ただ、やはりここでも腎臓や肝臓うんぬんということは触れられていないので、そこの部分は問題ないと考えられそうです。

 

ちなみに上記の1日の「タンパク質エネルギー比率20%」というのはどのぐらいの量なのでしょうか?

厚生労働省の推定エネルギー必要量を参考に見てみましょう。

出典:日本人の食事摂取基準(2015年版の概要)

18~29歳の平均的な身長・体重(171.1cm/63.6kg)の男性の身体活動レベル2(座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業、接客などあるいは通勤・買物・家事・軽いスポーツ等のいずれかを含む場合を身体活動レベル2と定義されている)である男性であれば、1日の推定エネルギー必要量が2650kcalなので、その内の20%となると、先述した「1日のタンパク質エネルギー比率20%」というのは“132.5g”となります。

体重×2より少し多いくらいの量ということですね。

女性であれば、18~29歳の平均的な身長・体重(157.8cm/50.2kg)で身体活動レベル2であれば、1日の推定エネルギー必要量が205okcalなので、1日のタンパク質のエネルギー比率20%は“102.5g”ということになります。こちらも体重×2よりわずかに多いくらいの量です。

 

健康的にプロテインや高タンパク食を活用するには?

出来ればプロテインやタンパク質の過剰摂取は健康的に考えて、白か黒か?ということを明示したかったのですが「健康的な人にとって肝臓や腎臓には恐らく悪影響はない」ということは言えても、トータルの健康的にみてどうなのか?という部分でいうと、まだ確かなことはわからないと言えそうです。

フィットネスをもっと広めたい側の僕としては、思惑にそって「プロテイン最強!タンパク質最高!いくら摂っても健康に全く問題なし!」ということを言いたかったですが、なかなかそうはいかないということですね。

個人的な考えとして、年がら年中タンパク質の摂取量を意識して増やしたりプロテインを常に飲むのは上記のリスクを考えるとあまりよくないという可能性もあるので、「筋肉を増やしたい」という時や自分の体型、筋肉量、体脂肪率が理想から遠ざかって悪くなっていっているという時に、筋トレや運動、食事制限を強化する期間をあらかじめ決めておいて、総摂取カロリーを減らしながらタンパク質摂取量を増やしたり、プロテインを摂ったりするという方法がよいのではないかと思います!

それではフィットネスジャンキーでした!

関連記事:目的に応じたプロテインの種類と選び方

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