格闘技関連

MMAの選手になるためのトレーニングとは?

MMAの選手になるためのトレーニング

こんにちは!フィットネスジャンキーです!

タイトルにあるMMAとはMixed Martial Artsの頭文字をとったもので、総合格闘技のことを指します!

米国のサイト、Bodybuilding.comではMMAの選手になるためのトレーニング方法について、具体的なトレーニング種目やメニューの組み方などが紹介されていました。

スポーツ競技はこのトレーニングをやれば、誰もが同じようレベルアップ出来るといった単純なものではないので、もちろん鵜呑みにすることはできないのですが、何かのヒントに繋がればと思います。

※この記事の著者アレックス・スチュワートについて

高校時代にバスケットボールのトレーニングの一環として始めたウェイトリフティングに夢中になり、現在に至る。パーソナルトレーナーと栄養士の資格を持ち、現在はエクササイズサイエンスとファイナンスの学位取得を目指し勉強する傍ら、ジムとオンラインでパーソナルトレーナーとして働いている。

MMAのファイターになるためのトレーニングとは?

以下は翻訳部分になります。


 

MMAの選手は世界で最もタフなアスリートでしょう。勝つことはもちろん、数ラウンドを戦い抜くだけでも、幅広い身体能力が必要となります。

バランスのとれた高いスキルを持った格闘家であることに加えて、MMAの選手には並外れた持久力、耐久力とパワーが必須です。

もしいつの日か、MMAのリングに挑戦してみたいと考えているならば、そのためのトレーニングを積む必要があります。また、リングに登ることを目標としてはいなくても、MMAのトレーニングでより引き締まった強靭な身体を作り上げていくことができます。

ここでいくつか、トレーニングのコツとエクササイズプランを紹介しましょう。

 

 1.何か一つの格闘技種目に集中して取り組んでみる

サンドバッグを数週間ただ蹴ったりパンチしたりしても、格闘家にはなれません。優れたMMA選手とは、なによりもまず優れたバックボーンを持った格闘家なのです。

MMAのジムには通常、スパーリングテクニックやボクシングに加えてブラジリアン柔術、ムエタイ、テコンドー等のクラスがあります。

近くにMMAのジムがない場合は、何かひとつ格闘技のトレーニングを始めてみてください。防御の仕方、蹴り方、パンチの仕方を学べるものを選びましょう。

優れたMMA選手は、戦いがグラウンドに持ち込まれた場合の防御と相手への攻撃にも優れています。柔道かブラジリアン柔術を加えてみるのもよいでしょう。

どのような種目であれ、まずその道の専門家につき、適切なテクニックを学んでください。

 

 2.持久力を高める

よりよく戦うためには、ラウンドを通してパワーを保つことができなければなりません。3-5分にわたって繰り返し激しいパンチや蹴りを入れるパワーを保つのは容易なことではありません。

最大限の力で急激な動きを繰り返す能力を高める、パワーエンデュランストレーニング(高い強度を持続しておこなうトレーニングのこと)はきついものですが、リングに上がるためには必須のトレーニングです。

30-45秒(または15-20回)、負荷は中程度の急激な動きを伴うエクササイズを行い、30秒の休憩、それを5ラウンド繰り返します。

サーキットトレーニングも効果を発揮するでしょう。しかし、インターバルは少なくとも30秒以上とすることが重要です。結局、目標とするのは少なくとも3分1ラウンド以上の時間を戦い抜くことです。

有酸素運動で心肺機能を向上させることもお勧めします。長距離を走ったり、カーディオトレーニングの時間を長くしたりすることで、筋肉がエネルギーをより効率的に活用できるように鍛えていきます。

 

 3.プライオメトリックトレーニングを取り入れる

プライオメトリックトレーニングは、筋肉の爆発力と敏捷性を向上させるため、総合格闘技のためのトレーニングとして非常に優れています。優れた格闘家は方向転換すると同時に腰部からの爆発的な力で力強い攻撃を行うことができます。

効率的なトレーニングを行うためには、筋トレのスケジュールに、1週間に2-3回のプライオトレーニングを加えてください。

プライオメトリックトレーニングの後には身体の完全な回復を助けるために、次回のプライオメトリックトレーニングまでに48時間の休息を入れることを忘れずに。

MMA競技向きのプライオメトリックエクササイズとしては、プライオプッシュアップ、シングルアームメディシングボールスロー、メディシングボールサイドスロー、ジャンプスクワット、バウンディングエクササイズ、ラテラル・ハイ・ホップなどが挙げられます。

プライオメトリックトレーニングの前には、十分なウォームアップを行ってください。

また、マットや芝生など、柔らかい接地面で行うのがよいでしょう。コンクリートの上でジャンプするのは腰、膝への負担が大きいからです。

 

4.身体のコアを鍛える

背筋、腹筋以外にも多様なコアトレーニングがあります。キック、パンチ、投げ技のパワーはコアマッスル(体幹の筋肉)の強靭性に大きく関与します。だから、総合格闘技向けのトレーニングにはコアを強化するエクササイズが多く取り入れなければなりません。

腹筋は身体の他の筋肉と同様、筋トレで大きさや強靭性を高めることができます。クランチを数千回行うことを選択するよりも、ウェイトを使ってより少ない回数で行う方が効果、効率ともに高いでしょう。

 

 5.ボディービルディングのためのエクササイズをやめる

格闘家にとって、上腕二頭筋の大きさや形はどうでもよいことです。美的な観点からのトレーニングではなく、パフォーマンス向上のためのトレーニングなのです。

全面的に優れたアスリート、より強い格闘家となるためのトレーニングとしては、バーベルスクワットやチンニング(懸垂のこと)等の、複数の関節を同時に使うエクササイズを取り入れるべきです。

ジムで行うエクササイズすべてが、マットやリングの上で行うことと関連付けられるようにしてください。実戦での動きと無関係なエクササイズがあったら、動きと関連付けられるようなものに変えましょう。

例えば単純に言うとレッグカールより、デッドリフトの方が効果的です。デッドリフトではテイクダウンする力を向上させることができると考えられます。

同じ上腕三頭筋を鍛えるトレーニングでも、クローズド・グリップベンチプレス(手幅を肩幅ほどに狭くしておこなうベンチプレス)はパンチの打撃力を高めることができるため、トライセップスキックバック(ダンベルを使って行う上腕三頭筋の種目の一つ)より効果的です。

 

 6.MMAのための実際のトレーニングプラン

このエクササイズプランはストレングス、スピード、パワーを強化するシーズン前のトレーニングのためのものです。まずはこの計画通り、セット数なども変えずに4-6週間トレーニングしてみてください。計画を変えるのは、このプランが難しすぎるか、簡単すぎる場合だけにしてください。

そしてジムでのトレーニングに加えて、タンパク質を多く含む健康的な食生活を心がけてください。栄養についても真剣に考えないと、トレーニングによる効果が帳消しになってしまいます。

(補足:トレーニングの名前は専門的なものも多いので、こちらで()内に説明を加えてあります。)

 

1日目: プライオメトリックトレーニング

1.トレッドミル・スプリント  30秒を10セット…セット間の休憩45秒

2.プライオ・プッシュアップ(腕立てで両手でジャンプしておこなうトレーニング) 60秒間の中で出来る限りの反復を3セット…セット間の休憩45秒

3.メディシングボール・スラム(立った状態で、両手でメディシングボールを持ち、頭上に挙げて床に叩きつける動き)20回を3セット…セット間の休憩45秒

4.ラテラル・ハイホップ(20~30cmほどの高さのミニハードル、ミニコーンをサイドジャンプで飛び越え、反復する動き)20回を3セット…セット間の休憩45秒

5.ボックスジャンプ(こちらの記事を参照してみてください)20回を3セット…セット間の休憩45秒

6.縄跳び 15分1セット

 

2日目:コアトレーニング

1.ハンギング・レッグレイズ(両手でバーにぶら下がった状態で両膝を一気に引き上げるトレーニング)15回2セット…セット間の休憩30秒

2.シットアップ・withパンチ(シットアップで起きあがった時にパンチを打つトレーニング) 20回3セット…セット間の休憩30秒

3.プランク 90秒を3セット

4.加重(プレートやメディシングボールなど)を加えたシットアップ 10回を3セット…セット間の休憩45秒

5.メディシングボール・ロシアンツイスト 15回を3セット…セット間の休憩30秒

6.メディシングボール・サイドスロー(壁に対して真正面でなく横向きに立ち、両手でメディシングボールを持って、体のひねりを利用してボールを投げて壁に叩きつけ、キャッチする動きを反復するトレーニング)右側ひねりと左側ひねり、それぞれ12回を3セット…セット間の休憩30秒

 

3日目:アクティブ・レスト(積極的休養の意味で、完全に休みにするのではなく軽くストレッチをしたり、疲れない程度に体を動かして体の回復を促すこと)

 

4日目:筋力トレーニング

1.ベンチプレス 5回5セット…セット間の休憩60秒

2.片足デッドリフト 12回3セット…セット間の休憩60秒

3.バーベルスクワット 8回3セット…セット間の休憩60秒

4.ミリタリープレス 10回2セット…セット間の休憩60秒

5.チンニング(懸垂)10回3セット…セット間の休憩60秒

 

5日目:パワー&カーディオトレーニング

1.サンドバッグ打ち 60秒を8ラウンド…セット間の休憩60秒

2.自体重のジャンピングスクワット 30回3セット…セット間の休憩45秒

3.ニーリング・メディシングボール・スラム(膝立ちの状態で両手でメディシングボールを頭上に挙げ、床に叩きつける動き) 30回3セット…セット間の休憩45秒

4.スーパーセット法:(2つの拮抗した筋群の筋トレ種目を休憩なしで連続しておこない、2種目を1セットとしてカウントするセット法)プッシュアップとチンニング 5セット以上を限界まで…セット間は60秒以上休憩する

5.縄跳び 15分1セット

 

6日目、7日目:技術のトレーニングとスパーリング

 


まだまだ未知の部分が多い、MMAに効果的なトレーニング

総合格闘技に有効なトレーニングというのは、他のスポーツ競技に比べてもどのようなトレーニングが効果的かという実験や検証もまだ少ないというのが現状のようです。

中には、朝倉未来選手のようにそれほどウェイトトレーニングやフィジカルトレーニングを重視しないという考え方の選手もいるので、何が正解なのか本当に難しいところではありますよね。

これはどの競技にも言えることですが、身体的長所や短所も人によって異なるので、同じトレーニングが全ての人に同じように有効にはなり得ませんし、競技に実際に取り組んでいる方はそのことも重々承知していると思うので、上記のメニューをまるまる参考にすることは出来ないと思いますが、どのようなウエイトトレーニング種目をおこなってみよう、追加してみようなど少しでもヒントに繋がる部分があればと思います!

それではフィットネスジャンキーでした!