栄養&食

EAAサプリの効果や摂取方法、タイミングについて!おすすめは?

こんにちは!フィットネスジャンキーです!

今回の記事では、タイトルにあるように最近徐々に日本でも認知度を広めてきているEAAサプリメントについて、その効果、プロテインやBCAAとの違い、おすすめのEAA製品などについて述べていきたいと思います。

EAAサプリメントとは一体何か?

EAAサプリメントは、まだあまり聞き馴染みがないという方も多いかもしれませんね。

EAAとは「Essential Amino Acids」の略で、必須アミノ酸のことを指します。

人間の筋肉や骨、内臓、皮膚、髪、爪などの構成物質になるアミノ酸には計20種類あって、この20種類のアミノ酸の中でも、“自分の体内で作り出すことのできるアミノ酸”と、“食べ物などで外部から摂取しなきゃ得ることができないアミノ酸”に分けられます。

この外部から摂取しなきゃ得ることができないアミノ酸を「必須アミノ酸」と言い(逆に体内で作り出すことの出来るアミノ酸は非必須アミノ酸と言います)、この必須アミノ酸は全部で9種類あります。

・フェニルアラニン

・ロイシン

・バリン

・イソロイシン

・スレオニン

・ヒスチジン

・トリプトファン

・リジン

・メチオニン

上の9種類が必須アミノ酸であり、それら全てを含んでいるサプリメントがEAAサプリメントになります。(ちなみに上の必須アミノ酸の中から『バリン・ロイシン・イソロイシン』のみで構成されているサプリメントがBCAAになります)

ただこの9種類の中のトリプトファンに関しては、昔アメリカで起きたトリプトファン事件というものの影響で、一時期アメリカでトリプトファンの販売が禁止されていたこともあってか(現在は販売許可が出ている)、アメリカの多くのEAAサプリメントでは、トリプトファンを含まない8種の必須アミノ酸で構成されているEAAサプリが主流となっています。

また、トリプトファンは眠気を誘発するアミノ酸であることから(実際にアメリカなどでは入眠剤の成分の一部としても使われている)、トレーニング前やトレーニング中に摂取するサプリメントとしては適さないのではないかという見方もあり、日本で販売しているEAAサプリでもあえてトリプトファンを配合していないものもあるようです。

これは「HALEO」や「バルクスポーツ」というプロテイン&サプリメントブランドを展開する、ボディプラスインターナショナル社のデービットホルトン社長のtwitterの引用ですが、自社の販売するEAAサプリメントにはtwitterにも述べられている理由から、トリプトファンは配合していないようですね。

 

EAAの効果とは?

少し前置きが長くなってしまいましたが、EAAを摂取することでどのような効果が得られるのでしょうか??

これは「筋タンパクの合成促進」と「筋タンパクの分解抑制」による、筋肉量の増加がその効果として挙げられます。これはどういうことかと言うと…

筋タンパクは、実は常に合成と分解が同時に進行されています。

繰り返される合成と分解の収支の中で、筋タンパクの合成が分解を上回れば筋肉量は増えていき、逆に筋タンパクの分解が上回れば筋肉量は減っていってしまいます。

しっかりと筋トレなどの運動を行い、タンパク質などの栄養素も日常的に補給できていれば、筋タンパクの合成が分解よりも優位な状態が続いて筋肉量は増えていき、逆に日常的に運動量が少なくてタンパク質を中心とした栄養素の補給が十分でないと、筋タンパクの分解の方が合成よりも優位な状態が続いてしまい、筋肉量はやがて減っていってしまうということです。

合成が活性化されて優位になっている状態が「アナボリック」な状態、分解が活性化されて優位になっている状態が「カタボリック」な状態とも言いますね。

筋トレを行うと、筋細胞から成長因子が分泌されて、そのシグナルが核へと伝達されることによって筋タンパクの合成が促進され「アナボリック」な状態になるのですが、EAAやBCAA、またはプロテインなどをトレーニング前やトレーニング後に飲み、血中アミノ酸濃度を高めることで、これらを飲まずに筋トレするよりも、さらにトレーニング中やトレーニング終了後にも続く、筋タンパク合成促進を高められるということは多くの実験で明らかになっていることです。

またもう一つの、「筋タンパクの分解を抑制する」効果というのは、筋トレなどのハードな運動を行うと筋タンパクは合成が活性化すると同時に、実は筋タンパクを分解してエネルギーを作り出す作用も少し働いてしまうのですが、トレーニング前やトレーニング中にEAA(またはBCAA)を摂取することで、摂取したばかりのアミノ酸がエネルギーとして利用されることで、筋タンパクの分解を防いでくれるという効果が認められているということです。

テキサス大学の研究者達の実験によると、男女6人の被験者にウェイトトレーニング後、EAA6gと糖質35gを摂取してもらったところ、筋肉生成メカニズムの働きが正常時よりも約400%も高まったという結果も出ているようです。

 

プロテイン、BCAA、EAAの違いとは?

ではプロテイン、BCAA、EAAの違いとは何なのか??

プロテインにもEAA(必須アミノ酸9種)とBCAA(必須アミノ酸のうちのバリン・ロイシン・イソロイシン)は含まれているし、EAAにもBCAAは含まれているということになるので、全部一緒では?とも思ってしまいますよね。

その違いというのは主に二つあります。

1つはそれぞれのサプリメントに含まれる“アミノ酸の分量の違い”です。

まずプロテインには、EAAサプリやBCAAサプリとは違って、必須アミノ酸だけでなく非必須アミノ酸も含まれています。

冒頭で述べた必須アミノ酸9種類以外の、11種類の非必須アミノ酸もプロテインには含まれているので、例えばプロテインとEAAを同じ10g摂ったとしても、EAAは必須アミノ酸だけで構成されているのでその10gを9のアミノ酸で割ることになりますが、プロテインは約20のアミノ酸で割ることになるので、同じg数を摂ったとしても、それぞれの各アミノ酸の分量が異なるということです。

BCAAの違いもこれと同じ違いがそのまま言えて、BCAAは3種類の必須アミノ酸で構成されているので、10gを3つのアミノ酸で割ることになります。

 

もう1つの違いは、吸収される速度の違いです。

プロテインの中でも吸収の速いホエイプロテインは、摂取してから1時間程度で血中のアミノ酸濃度をピークにしますが、EAAとBCAAはさらに速く、摂取して15~30分程で血中アミノ酸濃度をピークに持っていきます。(ちなみに肉50gを食べた場合は、血中アミノ酸の濃度が一番高くなるまで2時間ほどかかるので、ホエイプロテインの1時間でも速い方と言えます)

トレーニング中やトレーニング終了後の、筋タンパク合成が活性化している時は、血中のアミノ酸濃度を高めておくことで更に合成を高めることができるので、EAAやBCAAサプリはトレーニングの前・中・後のいずれかのタイミング、もしくは全てのタイミングで摂取することが推奨されています。

プロテインの摂取も、以前はトレーニング後の30分~45分以内に飲むことが「ゴールデンタイム」とされていましたが、最近ではさらに効果を高める摂り方として、トレーニングの前・後の両方に摂取するという方法も最近では推奨されるようになってきています。

ただ、現実的なところとしてEAAやBCAAは、プロテインより1g当りの単価が高いですし、トレーニング前・中・後と全部摂取していたらさすがに出費がかさんでしまうので…笑

EAAやBCAAの摂取タイミングをトレーニング前・中・後のどれか一つだけに絞るとしたら、筋タンパクの合成は筋トレを開始してその直後に活性化するということがわかっているので、それを踏まえて筋トレのスタート時から血中のアミノ酸濃度を最大にしておくことが望ましい…つまりトレーニング前に摂取することが最も効果を望めるのではないかと考えられています。

プロテインの場合はBCAAやEAAほどは高くないですし、より早く効果を出したいという方は、少し出費はかさみますが、トレーニングの1時間前に摂取し、トレーニング後の30分~45分以内にまた摂取するという方法をとってもよいのではないでしょうか。

 

EAA、プロテイン、BCAAの中で最も筋肉をつける効果が最も高いのは??

EAA、プロテイン、BCAAの違いを述べましたが、最も気になるのはやはり「一番効果が高いのはどのサプリメントなのか?」という点になると思います。

では、まずBCAAとホエイプロテインを比較した研究をみてみましょう。

実験の内容は、36名の男性を集め、ウェイトトレーニング中に14gのBCAAを摂取させるグループ、28gのホエイプロテインを摂取させるグループ、28gの炭水化物を摂取させるグループに分け、それを8週間続けて“筋肉”量の増加、“筋力”の向上、体脂肪の低下がどのグループで一番大きかったのか?を調べたものです。

結果は、

筋肉量の増加が1番大きくみられたのが、1位BCAA摂取グループ、2位がホエイプロテイン摂取グループ、3位が炭水化物摂取グループ、

筋力の向上が1番大きくみられたのが、1位BCAA摂取グループ、2位がホエイプロテイン摂取グループ、3位が炭水化物摂取グループ、

体脂肪の低下が1番大きくみられたのが、1位BCAA摂取グループ、、2位がホエイプロテイン摂取グループ、3位が炭水化物摂取グループ、

全てにおいてBCAAを摂取したグループがホエイプロテインを摂取したグループを上回っていたようです。

出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3313152/

 

ではEAAとホエイプロテインで比べるとどうなのか?これを確かめた実験もあり、15gのEAA摂取と15gのホエイプロテイン摂取を比べたそうですが、こちらでは遥かにEAAの方が筋タンパク合成の効果が高かったとのこと。

出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16310330

ただホエイプロテインの1回の摂取目安量は大体20g程度で、BCAAは5~10g程、EAAは6~12g程、つまりこれらの研究ではBCAAやEAAの摂取する量を通常より多めに摂っているので、一概にホエイプロテインよりもBCAAやEAAの方が効果が高いと決めつけてしまうことは出来ないと思います。

 

では、最後にホエイプロテインに共に勝利したBCAAとEAAではどちらが筋タンパクの合成反応が高くみられたのか?

トレーニング中に、BCAA、EAA、ロイシン単体(ロイシンは必須アミノ酸の中でも最も筋タンパクを合成する効果が高いとみられていて、ロイシン単体のサプリメントも様々なメーカーから販売されている)を摂取するグループに分け、タンパク質の合成が一番活性化したのはどのグループか?を比べた研究があります。

その結果、筋タンパクの合成を高める酵素の活性が最もみられたのは、1位がEAA、2位がBCAA、3位がロイシン単体という結果になったとのことです。

出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27053525

これらの研究を踏まえるとEAA最強!ということで片がつけられそうですが、別の実験ではEAAは7g程の摂取ではあまり筋タンパクの合成効果は得られなかったという研究結果も出ているそうです。

EAAを販売しているメーカーによって、一回の摂取推奨量は異なりますが、中には一回の摂取推奨量6gと少なめに設定しているところもあるので、その通りに従っていたら、もしかしたらあまり効果が望めないということがあるかもしれません。

これらの実験は、ダルビッシュ投手のトレーナーを務め、栄養学の知識を授けた山本義徳氏の著書タンパク質とアミノ酸 後編: 山本義徳業績集 3でも述べられており、そこから引用させて頂いたのですが、山本義徳氏はこれらの研究結果を踏まえた上で、トレーニング1回につき「15g以上のEAA」を摂取すれば、BCAAを上回る効果が期待できるのではないかとの見解を示されています。

しかし、15g以上のEAAを一気に飲んでしまうと、浸透圧性の下痢を引き起こす可能性もあるとのことなので、実際にお腹を下してしまうようであれば、EAAを水やスポーツドリンクに混ぜて、トレーニング前・中・後に少しずつ飲んでいく方が良いということも勧められています。

また、先にも紹介しましたが、テキサス大学の研究では糖質35gとEAA6gの摂取を組み合わせることで、筋肉生成メカニズムの働きがかなり活性したとの報告もあるので、糖質制限で肉体改造を試みている方は無理になってしまいますが、そうでない方は試してみると良いかもしれませんね。

 

EAAサプリメントのおすすめは?

では少し長くなってしまいましたが、最後にEAAサプリメントの商品のおすすめをいくつか紹介してみたいと思います。

パープルラース・ジューシーグレープ味

こちらは先ほどの山本義徳氏が著書でおすすめしていた、海外のEAAサプリメントになります。シトルリンやβアラニン、イミダペプチドなども配合されていてコストパフォーマンスにも優れています。ただ、全体的にEAAはプロテインやBCAAと比べるとやはり割高な値段にはなります。

後は値段で言えば、最近勢いのあるMYPROTEINというメーカーのEAAなら1kgにつき8,040円と僕が調べた中では1番安価で購入することができます。

日本のメーカーでは、バルクスポーツのEAAが恐らく一番安価になります。ただ先に紹介した2つの製品の方が安価ではありますが。

バルクスポーツ EAAパウダー 480g レモン味

日本ではまだ販売しているメーカーの少ないEAAサプリメントのこれからに期待

いかがだったでしょうか?

EAAは最近になって認知度も上がってきているサプリなので、日本ではまだ販売しているメーカー自体あまり多くありませんが、徐々に増えていくのではないかと思います!

昨今の筋トレの流行を考えると、実際にプロテインやBCAAよりも本当に効果が高いのであれば、多少値段は割高でも需要は十分に見込めると言えるのではないでしょうか。メーカーさんには頑張って頂いて安く手に入れられるEAAを開発してほしいものです笑

摂取方法や選び方など参考にしてみてください!

それではフィットネスジャンキーでした!