筋トレ

ハムストリングの効果的な鍛え方、筋トレ5選とストレッチ方法

ハムストリング

下半身の大きな筋肉と言えば、太ももの前側の筋肉「大腿四頭筋肉」と、太ももの裏側の筋肉「ハムストリング」があります。

このハムストリングは、歩いている時、走っている時、ジャンプ動作など日常生活やスポーツ時の動作などでも様々な場面で使われ、走る動作や特に短距離走などのダッシュ競技選手などに特異的な発達がみられることから、「ランニング筋』、「スプリント筋」、「アクセル筋」などと呼ばれている筋肉でもあります。

日常生活やスポーツ時の動作でも使われることの多いハムストリングですが、筋トレやエクササイズなどでこの筋肉を鍛えることによって、外見的なシルエットや見た目の変化にはどういった影響をもたらしてくれるのでしょうか?

今回の記事では、ハムストリングを鍛えることのメリットや、有効な筋トレ方法、またこの筋肉は硬くなってしまうと姿勢にも動きの効率にも悪影響を与えてしまう筋肉なので、その事の説明を述べた後に有効なストレッチ方法を紹介していきたいと思います!

そもそもハムストリングとは?

まず、筋トレやストレッチを行う時にイメージをしやすくするため、図を交えてハムストリングとは?というところから簡単に説明していきますね。

ハムストリングとは、実は一つの筋肉ではなく、3つの筋肉から成っていて“ハムストリング”とはそれら3つの筋肉の総称名になります。

その3つの筋肉というのは【大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋】という筋肉です。

ハムストリング

これらの筋肉は、骨盤の坐骨という部分から、膝の関節をまたいですねの骨に付着してます。(大腿二頭筋はすねの外側の骨、半腱様筋、半膜様筋の2つはすねの内側の骨に付着)

骨盤から始まって、すねに付いているということで、その間に「股関節」と「膝関節」の2つの関節をまたいでいるので、ハムストリングは「二関節筋」、「多関節筋」とも呼ばれます。要は大きい筋肉の部類に入るということですね。

このハムストリングを鍛えることで、ヒップラインを引き締めてお尻を下から押し上げてくれることによるヒップアップ効果、下半身のシルエット改善効果、また以前の「ヒップアップに効果的な筋トレ」について述べた記事でも触れたように、殿溝』(でんこう)というお尻と太ももの境目の部分をはっきりさせるという効果もあります。

また、前述したように非常に大きい筋肉なので、発達させることで基礎代謝&活動代謝の向上効果も望めます。

では、ハムストリングを鍛えるのに効果的な筋トレ方法と、その行い方を紹介していきましょう!

自重とマシン・器具を使った方法とに分けて、それぞれ有効な筋トレ方法を載せていきますね。

マシン・器具を使ったハムストリングの筋トレ方法

レッグカールマシン

ハムストリングを鍛えるのに一番有効で、効率的な運動がこのレッグカールになります。

レッグカールマシンの種類は、座った姿勢で行うシーテッドレッグカールと、うつぶせに寝転がった姿勢から行うライイングレッグカールがありますが、大半のフィットネスクラブではこちらが置いてあるので、こちらの使い方を述べていきますね。(※以前の記事『レッグカールの行い方とフォームを解説!シーテッドとライイングの違いは?』という記事にて2つの違いを説明しています)

レッグカールの行い方

 イスの背もたれの深さを、自分の膝関節の中心とレッグカールマシンの回転軸となっているポイントが同じラインに来るよう、前後調節する。

 

 イスに座ったら、次はロールパッドの位置を、「アキレス腱より少し上の足首辺り」にパッドが当たるように調節する。

 

 イスの左右にあるグリップを握って軽く胸を張る。足の幅は腰幅程度。つま先を天井に向けて、息を吐きながら脚をカールしていく。この時足首を伸ばすとふくらはぎの力も動作に加わってハムストリングへの刺激が減ってしまうので、足首は伸ばさないように。

そして1回1回、脚を最後のロールパッドが止まるところまでしっかりカールさせていく。

初めて行う場合は、男性は11~13kg程度、女性は7.5~9kg程度を目安に3セット行う。

 

45度バックエクステンション

この器具も、ほとんどのジムで置いてあるものになりますね。

骨盤の背面から後頭部まで走っている、『脊柱起立筋』という腰の筋肉をメインに鍛えられる種目で、『大殿筋』というお尻の筋肉とハムストリングも鍛えられる器具になります。

 

バックエクステンションの行い方

 太ももにあてるパッドを調節する。このパッドが上(上体寄り)すぎると、ハムストリングへ効かなくなってしまうので注意。ハムストリングを主体に効かせたい場合は、骨盤の出っ張り部分がパットから拳一つ分程度上に出るくらいに調節する。

 

 胸の前で手をクロスして、背中を一直線にし、ハムストリングのストレッチが十分感じられるところまで上体を降ろしていく。

 

※バックエクステンションで、ハムストリングを優位に鍛えたい場合は、足幅を腰幅よりも狭いぐらいのスタンスにすることで、よりハムストリングへの刺激を高めることができる。

15~20回×3セットを目安に行う。

 

ルーマニアンデッドリフト

通常のデッドリフトよりも、膝の曲げる幅を少なくして、お尻の突き出しをさらに強調した動きをするのが、このルーマニアンデッドリフトになります。

膝の曲げる幅が少なくなることで、大腿四頭筋への刺激は減りますが、お尻を突き出す動きを強調することで、大殿筋とハムストリングへの刺激を通常のデッドリフトよりも高めることができます。

この方法はかなりハムストリングに効果的に刺激を入れられますが、フォームも中上級者向けになるので、通常のデッドリフトができるという方が行うようにしてみてください!

 

ルーマニアンデッドリフトの行い方

 足幅を腰幅程度に広げ、つま先を真っ直ぐに向け、腰幅より少しだけ広めにバーを握る。膝は軽く曲げておく。

 

 腰が丸くならずに、真っ直ぐの状態にできたら、上体を起こすとともにバーを引き上げていく。腕の力を使わず、腰を上に起こしていく力で挙げていくイメージ。バーを引き上げて、直立した状態になったら、そこからスタート。

 

 最初の膝を軽く曲げた状態のまま、膝の曲げ幅は変えず、視線を前に向けたままお尻を後ろに突き出す(股関節の屈曲)動作でバーを降ろしていく。バーを上げ下げしている時に、腰は真っ直ぐな状態になるようにキープし、絶対に丸めてはならない。

バーを降ろすところは、膝の曲げ幅が変わらず、「腰の真っ直ぐ」が保てる無理のないところまで降ろす。降ろす動作中に、お尻とハムストリングがしっかりストレッチされていることを意識する。

 

自体重で行えるハムストリングスの筋トレ方法

スクワット

下半身全体を鍛えるのに効果的であるスクワットは、もちろんハムストリングを鍛えるのにも効果的です。

自重スクワットの行い方

 足を肩幅かやや広めに開き、つま先を若干外側に向けて軽く胸を張って直立し、膝を軽く曲げる。手は腰にあてておく。

 

 後ろにいすがあるような意識で、斜め下方にお尻を突き出すように膝を曲げていく。腰は丸めず、反った状態をキープしながらしゃがみ込む。

 

 太ももと床が平行になる位置(動画で行われている動作と同じ位置)までしゃがみ込み、膝を伸ばして立ちあがる。立ち上がった時も、膝は完全には伸ばさない。

20~25回×3セットを目安に行う。

 

動画の腰に手を当てるフォームでは、後ろにひっくり返りそうになって深くしゃがみにくいという方は、下の画像のように両手を前に突き出した状態を保ちながら行ってみて下さい。前に手を伸ばすことで、重心が後ろに傾き過ぎないよう“カウンターバランス”をとります。

 

シングルレッグ・ヒップリフト

~体幹トレーニング、オススメ5選~』という記事でも紹介した、シングルレッグ・ヒップリフトはハムストリングを鍛える自重トレーニングとしても効果的です。

シングルレッグ・ヒップリフトの行い方

 仰向けに寝た状態で両膝を立て、脚の幅は腰幅程度にして両足のつま先を床から離す。手の平は天井を向ける。

 その状態から、かかとで床を押してお尻を挙げ、まずは「肩―腰―膝が一直線になっている状態」を作る。

 左右どちらかの脚を挙げて膝を伸ばす。脚を挙げる高さは、脚を挙げてない方の膝の高さと同じ高さ。足首は伸ばさない。カラダが常に一直線になっているのをキープする。

片方30秒ずつで計2セット行う。(片方終わったら休憩してよい)慣れてきたら秒数を伸ばし、片方60秒行えることを目標にする。

ハムストリングが硬くなると猫背姿勢や腰痛の原因に

では、次はハムストリングのストレッチ方法を紹介していきますね。

前述したように、ハムストリングは坐骨という骨盤の下の方の骨に付いていて、膝関節をまたいで、すねの内側と外側の骨に付着しています。

ハムストリングが硬いと、骨盤が下方へとハムストリングに引っ張られるような力が働き、骨盤が後ろに傾きやすくなってしまいます。

骨盤が後傾すると、その影響を受けて背中は丸まり、肩や首は前に出て…と典型的な猫背体型になってしまいます。

見た目的にもよくありませんが、猫背の姿勢は腰にも負荷を蓄積させやすいので、腰痛の一因にもなってしまったりとあまりいいことがありません。

逆にハムストリングの柔軟性が不足してしまっている人は、ストレッチを施して柔軟性を高めることで、これらの影響を改善することが望めます。

立ったまま前屈をしてみて、指先がすねの中心部辺りまでしか届かないという方などは、明らかにハムストリングの柔軟性が不足してしまっていると言えるので、特にしっかりとストレッチを行っていきましょう。

ハムストリングのストレッチ方法

 片方の膝を折り曲げ、足の裏をもう片方の脚につける。伸ばしている足のつま先は天井方向を向くように。

 背中を真っ直ぐにして、へそを膝に近づけるように前傾し、できれば両手でつめ先を持つ。無理ならば足首、あるいはすねの辺りを両手で持つ。膝が曲がらないように注意する。

3o秒間呼吸を止めないで、その姿勢をキープ。

 

ハムストリングの一番オーソドックスなストレッチで、誰もが行ったことがあるかと思いますが、この方法が最もハムストリングを伸ばしやすいかと思います。

呼吸を止めてしまうと、筋肉が緊張して伸びづらくなってしまうので、常に呼吸を意識しながら行いましょう。

ではどこでも出来るように、ということで、このストレッチの立位での方法、またイスに座った状態での方法も動画を乗せておきますね。

スタンディング・ハムストリングストレッチ

 適当な高さの足を乗せられるものを見つけ、伸ばす方の足を乗せてつま先を上に向ける。

 腰に手を置くか、太ももの上に両手を重ねる。

 背中を真っ直ぐにして、お尻を後ろに引きながら体を前傾させる。前傾させる角度は、少しもも裏が痛いくらいの辺りまで上体を傾ける。

3o秒間呼吸を止めないで、その姿勢をキープ。

シーテッド・ハムストリングストレッチ

 イスに浅めに座る。

 ストレッチする方の脚を伸ばし、つま先を上に向ける。

 背すじを伸ばした状態から、へそを膝に近づけるようなイメージで前掲していく。伸ばしている脚に両手を重ねるとストレッチしやすい。膝が曲がらないように注意する。

3o秒間呼吸を止めないで、その姿勢をキープ。

 

デスクワークの方などは、膝がずっと曲がりっぱなしでハムストリングが緊張した状態が続き、硬くなりやすいので、定期的にストレッチを施していきたいところです。

 

ハムストリングの筋肉は、運動をしていない人は特に特に落ちやすい筋肉

ハムストリングは冒頭でも述べたように、走る動作やジャンプ動作など、スポーツでも酷使されることの多い筋肉なので、カラダの中で1番肉離れの多い筋肉でもあります。

なので、日ごろのケアは大事に行っていきたいところですよね。

また、下半身の筋肉は上半身に比べて落ちやすく、特にハムストリングはそのことが顕著なので、普段運動をしていない方が筋トレなどを始める時は、しっかりと強化していきたいところです。

それではフィットネスジャンキーでした!